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2021年10月25日月曜日

DUB特集

 





1980年代初頭、MUTE BEAT『STILL ECHO』。全ての始まりはここにある。日本のDUBのオリジネーターとして、このMUTE BEATは後のアーティスト達に多大な影響を与えた。当然、この時点では、大きなムーブメントではなかったが、DUBは地道に、しかし確実に、耳の早い音楽ファンを刺激し、シーンとして根付き始めた。その後、FISHMANSやAUDIO ACTIVEの登場により、DUBの手法はポップスやロックのリスナー等より多くの人たちにも届くようになる。




そんなDUBシーンが急速に発展を遂げたのは、90年代の終わり、
AUDIO ATIVEのメンバーから派生したDRY & HEAVYの登場によるものが大きい。

彼らの、DUBに対する徹底的なこだわりとポジティブなメッセージ、決してマイナーな音では終わらない姿勢は、日本の音楽業界にとって強烈なインパクトだった。DRY & HEAVYで初めてDUBというものを体験した人も多いのではないだろうか?

さらに同時多発的に、MUTE BEATのこだま和文は『REQUIEM DUB』を発表、LITTLE TEMPOの登場など、
DUBもアンビエント的なアプローチを提示するなど、新たな流れ、拡がりを見せた。また、UAは『turbo』という
アルバムの中で大胆にDUBの手法を取り入れた。

このアルバムにはMUTE BEATの朝本浩文やLITTLE TEMPO、DRY & HEAVYの内田直之も参加している。
改めてUAのセンス、フットワークの軽さに驚かされる。






2000年代に入ると、NYの老舗レゲエ・レーベル、WACKIE'Sでの活動を経て帰国したピアニカ奏者RAS TAKASHIによるDUBSENSEMANIAや、SHAGGY TOJO率いる、BLACK REDEMPTION CREW、今回KILLA SISTAをプロディースしたRAS DASHER率いるCULTIVATORなど数々の名盤がリリースされる。

また、AUDIO ACTIVEが『SPACE DOLLS』の中で、THA BLUE HERBのBOSS THE MCをフィーチャーし、Shing02は『400』において、DRY & HEAVYの秋本武士のBASSフィーチャーするなど、HIP HOPとのリンクも広がっていく。秋本武士はGOTH-TRADとのユニットREBEL FAMILIAにてDUBの最も濃い部分を凝縮したかのようなサウンドを展開していく。

そんな彼が、バンドとしてのDUBサウンドに回帰したTHE HEAVYMANNERSの作品を2008年にリリースしたことは記憶に新しいのではないだろうか。


KILLA SISTAのリリースしかり、08年のTHE HEAVYMANNERSしかり。そして福岡が誇るDUB バンド、

THE EXPLOSIONS

日本のDUBシーンは再び盛り上がり始めている。長野の山奥、標高1200mのDUB、TENGAKU。アイヌの伝統とDUB、トンコリのサウンドがこだまするOKI DUB AINU BAND。2月度の「今月のイチオシ」でも紹介した大阪のDUBシーン「Tribe Called West」。同じく大阪から飛び出した新世代叙情派エレクトロ・ダブ・ユニット、あらかじめ決められた恋人たちへ。

さらにバンドもだが、SOUNDSYSTEMを稼働し、DUBを発信しているCREWは、全国に数えきれないほどいる、、、バンドも含めると、SOUL DIMENSION、YOSSY THE LITTLE NOISE WEAVER、TRIAL PRODUCTION、ECHO SOUNDSYSTEM、SUPER DUMB、RED I SOUNDSYSTEM、MACCAFAT、FALASHA CREW、MIGHTY MASSA、DUB TRIO、ROOTSMAN CONNECTION & CHACKIE MITTOO(Two Sevens Trash)、ROOTS ROCK VIBES、NATTY STUDIO ALL STARS、GREEN GREEN(ダンスホールスタイルなDUBバンド)、FLYING RHYTHMS、SOUL FIRE、DUB MASTER X率いる,DUB FLOWER、など、載せきれないほど、かなり層が厚い。

これらのBAND & SOUNDSYSTEMが今後どのように展開していくのか非常に興味深い、そして世界に誇れる日本のDUBシーンはさらに煙たく深化し、精進していく事は間違いない、そして新たなる新勢も加わることがとても楽しみですね、